アトリエと、居宅です。
お風呂は五右衛門風呂で、薪で沸かします。
トイレは、くみとり式です。
井戸の横に沢が流れています。洗濯はそこで。
ダルマストーブ(薪ストーブ)があります。
風さんが、ほぼ全財産をはたいてこの山の庵を買ったのは、
「阪神大震災でマンションなど都市物件やモノの価値が一瞬で崩壊することを
目の当たりにした」からだそうです。
ご生家が、神戸でした。
結婚後は、奈良の高級住宅地に住んでおられたのですが、
子供達も巣立ったある日、
ご主人が逝去され、
さらに事情あって家屋敷を手放され、築いてきた財産もなくなりました。
「私をつつんでくれるところは自然の中にしかない」と悟り、
新聞広告をみて、即座に見学し、即座に契約しました。
荒れていた小屋。
そして、殺伐とした敷地。
それから、少しずつ樹を植えていきました。
サクラ、〇〇〇、〇〇〇(おぼえていません)など。
いまでは10年あまり経過し、立派な大木になりました。
春には見事に桜吹雪が舞い降ります。
〇〇〇、〇〇〇など、
この地に自生する山菜を植えました。
それは、敷地のまわりに豊かな味覚を届けてくれるようになりました。
風さんは、この庵に季節ごとに縁ある人を招き、
自然のなかで過ごすひとときと、
新鮮な山の幸を振る舞ってきました。
能書きではなく、肌で自然生活の価値を感じてほしい・・・。
もし、バビロニアン都市の違和感が芽生えてきたら、
たいせつに育ててほしい・・・。
そんな願いがあったのかもしれません。
そして、311が起きました。
いま、風さんの暮らしが、
みんなの道しるべになっています。