イギリスEU離脱、国民投票で

イギリス国民が、やってくれた。EU離脱の意思表示。

直前までEU離脱を囃し立てていたビットコインの価格が下げに転じたため、「EU離脱はフェイクで、離脱なんてするわけがない」とタカをくくっていたら・・・。なんと。

離脱の理由

イギリスの離脱派につづき、オランダ、フランス、デンマークといった国の欧州懐疑派が国民投票を呼びかけている。

離脱の表向きの理由は、移民難民が押し寄せてうんぬんと言われるが、本質はEUに対する根深い不満があるようだ。


・EU官僚制度に対する不満
・大銀行等金融機関に対する反感
がある。

 

この二点についてはマスコミはまったく突っ込まない。(銀行が広告主であることも影響している)

EU官僚の実態

EU官僚というのはブリュッセルにあるEU委員会本部を中心として働く各国からの官僚で約3万人もいる。(3万人も必要なのか?)
25の総局と、事務局、法制局など8つの部局が配置され、委員は普通の国家の内閣の閣僚と同じように、それぞれ所轄の政策領域を持つ縦割り組織である。
平均給与が80万円弱/月、最高の局長クラスでは約200万円/月、子供手当やら何やら手当てが付くばかりではなく、所得税が免除(自国で申告)されている。さらに、退職後の年金は最終給与の約7割もらえる。役人天国だ。

銀行出身の役人

役人の出自は各国政府からの出向だったり、銀行等からの出向である。

銀行の利益の最大化のために、各国の国民から血税を寄生虫のごとく吸い尽くす。そんな側面がある(後述)。
しかも、各国大臣級とタメで話が出来、EU委員会の決定として通達など強制力を持って仕事ができる。
反面、相手国やその国民に対して一切の責任(説明責任も)を問われるようなことはない。夢のような(タカビーな)身分である。

これは各国の行政機関の屋上にEUという屋根を重ねた、人間支配構造である。(現代貴族制?)


EUは各国を食い物にしている

金融機関の癒着とそれを利用するEU議会とEU官僚達。これがEUの本質だ。

 

ギリシャ危機があった。

アテネオリンピックを契機にギリシャ政府は他国から借金を続け、欧州中の銀行がこれに貸し付けを行い(国債発行)儲けた。
国防予算も借金で賄い、国民1人あたりの国防予算はNATO加盟国トップだ。このギリシャに兵器・武器を政治家に賄賂を使ってまで売りつけたのはドイツとフランス(の金融機関)である。


その結果2010年春、ギリシャ危機が表面化した。
しかし、この時点でEU委員会、ECB(欧州中央銀行)、ドイツ政府はギリシャが債務返済が全く不可能なことはわかっていたにも関わらず、彼らはギリシャは返済能力があると見せかけ、歴史上最大(1,300億ユーロ)の融資をギリシャに実行し、(おそらく)永遠に返済不能となったばかりか、怠け者ギリシャ国民公務員天国といって悪者にさせた。
EU公務員が弱小国ギリシャ公務員を食い物にしたわけだ(共食い)。

この融資はEC、ECBに加えてIMF(国際通貨基金)も加わりトロイカ体制を組んだ。
また、EUには『債務危機に陥った加盟国は救済しない』という条約の原則があるにも関わらず、『金融支援は欧州の結束のため』という欺瞞を喧伝してトロイカは金融支援を行った。
その金融支援でギリシャに渡った1,300億ユーロから、ドイツの金融機関が170億ユーロを回収、フランスの金融機関が200億ユーロを回収した。
つまり、ギリシャ支援というのは、破綻したギリシャに融資したドイツ・フランスの銀行(もちろんここからEUへ官僚として出向している)を救済することが目的だったのだ。

その結果、緊縮財政でギリシャは悲慘な貧国化した。
アテネの市街地などはシャッター通りに。
医療費を30%カットさせたことや社会保障などあらゆる支出を情け容赦なく削減させたため、ギリシャでは人口の25%が医療保険に加入できない状況になり、200以上の病院が閉鎖、公立病院の医師の約半数が解雇された。

同じようなスキームがギリシャ以外にポルトガル、キプロスでも行われた一方で、EU官僚は各国に無茶苦茶とも言える緊縮財政を強いている。


恵まれた厚遇のEU官僚達が各国、特に南欧諸国(ギリシャ、スペイン等)に対して自分の国でもできないような厳しい財政規律を要求する。紳士面しているが、現代の悪魔そのものだ。

しかもそのEU官僚達の給与は各国の拠出金(各国の血税)で支払われているから、被害国は自分の血税で自分達が搾取される構造だ(離脱したくもなるだろう)。
それらの背後にいるのが大銀行、証券会社、保険会社といった金融機関だ。

EUの冷血さ

トロイカによる金融支援を受けた国では、緊縮財政によって内需が減少し、ますます財政悪化が進み、失業者が大量に発生している。 そのため、ポルトガルでは働く現役世代の約4割、アイルランドでは約6割が国外に脱出したとされ、向かったのは英国のような富裕国だ。つまり英国への移民 は、EUの冷酷な金融政策の落とし子なのだ。

『雇用が増えないのは賃金が高すぎるから、労働者が解雇されにくいように守られているから』 というEU官僚達の論理で、ポルトガルでは解雇が容易になり賃金が約20%下げられ、労使間協定も破棄された。ポルトガルの最低賃金では月収485ユーロ(月6万円弱)である。これでは生きていけない。

EUの条約では、労働市場の自由化などは加盟国独自に取り組むべき課題でECは責任 を負わないと決められている。にも関わらずトロイカのEU官僚がそれらに口を挟んでいる。しかも結果については一切責任を負わない。明らかにトロイカも EU官僚も条約違反を平気でやっているのだ。


タカビーで官僚的な内政干渉・・・これが、イギリス離脱派などが痛烈に指摘していたことだ。

 

ここでわかることは、EUとは傘下の国家の国民の血税を吸いつくし、とことんまで吸血するイキモノということだ。これによって、EU加盟国は豊かになっただろうか。

EU職員がぬくぬくと儲け、銀行だけが延命したのではないか。

 

つまり、ヨーロッパ諸国にとって、EUとは、モノカネヒトサービスの垣根を取り払うという恩恵をちらつかせた、巨大悪代官なのだ。

 

その結果、銀行が業績アップしたならまだしも、今回の英国離脱で、とことんまで売り込まれている(苦笑)。

それみたことか・・・的な。

人をのろわば穴ふたつ・・・的な。

 

参考サイト